創立記念パーティーに要した費用
会社創立40周年を記念し、ホテルに取引先、当社の従業員を招待して記念パーティーを催しました。総費用から、従業員にかかる部分、招待者からの祝儀を差し引いて、その残額を交際費とすることができるでしょうか。
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会社の創立記念等における宴会費、交通費および記念品代等の費用は、原則として交際費等の金額に含まれます。
税法上、交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、得意先、仕入先等その事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいいますが、専ら従業員の慰安のために行う行事に際して支出される通常要する費用等は、交際費等から除かれます。
したがって、一般的にみて、取引先を招待して行う創立記念パーティーは、創立記念に際して、得意先および仕入先等の取引関係者に対し、今後の取引関係が円滑になることを目的として行われる接待等の行為と考えられますので、その支出費用は交際費等になります。
これに対し、社内の行事として行う創立記念パーティーで、従業員におおむね一律に社内において供与される通常の飲食に要する費用については、従業員の慰安等のために行われるものと考えられますので、交際費等にはならず、福利厚生費等として損金に算入することが認められます。
次に、招待者からの祝儀については、税法上、交際費等は、接待等の行為のために支出する順によって計算しますので、招待者からうけ入れた祝儀を差し引いた費用の正味負担額によって計算することはできません。
したがって、祝儀は、雑収入として処理し、費用の全額を交際費等とします。
ところで、本問の創立記念パーティーは、ホテルにおいて、取引先、当社の従業員を招待して行ったとのことですので、従業員部分は交際費等にあたらないのではないかとの考え方もあるかと思いますが、この記念パーティーがどのようなものなのかは総体的に判定することになります。
したがって、接待等の行為のための記念パーティーと認められますので、記念パーティー費用の総額が交際費等になり、祝儀、従業員分を差し引いてその残額を交際費等とすることはできません。
社内において、従業員を対象に行う記念パーティーでの通常の飲食に要する費用については、交際費等にはなりません。
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