寄付金の経理の方法
今年初めて経理担当になり、現在は決算期であるため損益計算書を作成しています。会社の支出する寄付金は営業費用・営業外費用・特別損失のいずれで処理すべきでしょうか。また、利益処分で経理して支出することが可能でしょうか。
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寄付金は営業外費用として処理することになります。また、国などに対する寄付金、指定寄付金および特定公益増進法人に対する寄付金については、利益または剰余金処分による経理をした場合であっても損金の額に算入できることとされています。
寄付金は一般に会社の業務とは直接関係のない金銭等(金銭その他の資産または経済的利益)の贈与または無償の供与として把握することになっています。そしてその金額は時価により計算することになっています。
寄付金は、その性格から一方的に金銭その他の資産を相手方に給付するものであり、また、対価をともなわないことを本質にしており、営業活動以外から生ずる損益である営業外損益に帰属しますので、営業外費用として処理すべきことになります。
次に、財務諸表等規則ガイドライン95の2によりますと通常の取引以外の原因に基づいて発生した臨時的損失が特別損失として例示されています。
寄付金は通常の取引原因にもとづいて発生したものではありませんが、会社の自由意思にもとづいて拠出するもので、災害、盗難、不法行為による損失のように他動的原因によって臨時的に発生したものではないため、会計上損失とは考えられません。よって、特別損失として処理する余地はないと思われます。
利益処分でする寄付金は、原則としてその全額が損金の順に算入されないこととされていましたが、国または地方公共団体に対する寄付金、指定寄付金および特定公益増進法人に対する寄付金は、公益目的に沿うものであり、企業に幅広くその支出を促す意味からも、寄付金の損金算入についてさらに拡充する必要をうけて、公益の増進に貢献する団体などに対する寄付金は、法人が利益処分経理で行った場合でも損金の順に算入されることが認められました。
なお、寄付金は現実に支払がされるまでの間は、支出がなかったものとされているところであり、指定寄付金等につき利益処分により経理した場合であっても、現実にその支払または給付がされるまでは、その寄付金は損金の額に算入されませんので留意してください。
また、国などに対する寄付金および指定寄付金については、利益処分により経理した場合であっても、原則としてその支出した全額が損金の順に算入されることになりますが、特定公益増進法人に対する寄付金については、寄付金の損金算人類の規定により、損金算入限度額の計算を行う必要がありますので注意してください。
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